マルチシートを張るタイミング
雑草や乾燥の予防、土の跳ね返りを防いだり地温を上昇させる効果があるマルチシート(以下マルチ)ですが、張るタイミング一つで植え付け後の生育や管理が大きく変わってきたりもします。マルチの効果や種類に関しては別の記事で取り上げますが、ここではマルチを張るタイミングを見ていきましょう。
マルチを張るのに適した土の状態→土が手でほぐれるタイミング
マルチを張った後は土の中にある水分が蒸発で逃げていくことを防ぐ一方で、雨などにより外部から入ってくる水の量も少なくします。
植え付けの直後に降雨などにより十分な水が確保できれば良いのですが、そうでなければ事前に土を湿らせてからマルチを展開しましょう。植え付け後の苗が土に馴染むまでの管理が楽になります。土を耕す際も基本的には土が適度な水分を含んだ状態のほうが良い土づくりが進められます。目安としては土の塊が手で軽くほぐせるタイミング。または耕した際に土が水分を含んでいる状態でサラサラしている状態がベストといえるでしょう。
多量の雨が降った後の場合は水分が多すぎるため、土の塊をほぐそうとしても泥状になってしまいます。そのため水分が過剰な場合は一度時間をおいてからマルチを張るほうがいいです。逆に水が不足している場合は畝を立てたあとにじょうろなどで表面にやや水がたまるぐらいまで散水するといいです。土の表面を湿らせるのみでなく、土の内部15cm程くらいまでは濡れている状態をつくってあげましょう。
その後マルチを張るようにすれば定植後もしばらくは土壌中に水分が残っています。
肥料のタイミング→土を耕す際に
マルチを張る栽培方法の場合は、耕す際に一緒に肥料を撒いてしまいましょう。堆肥や石灰資材などは肥料を撒くよりさらに前に散布しておくとよいのですが、直接の野菜の栄養素になる肥料に関してはマルチを張る前で大丈夫です。
ただし栽培する野菜が必要とするほどの量を与えることを意識してください。野菜によって必要とする栄養バランスは差があります。そのバランスが崩れてしまうと生育にも影響を及ぼしてしまうため、事前に個別の野菜栽培方法をチェックしておきましょう。
マルチを張る時間帯→気温が高い時間帯
意外とミスをしてしまうのがマルチを張る時間帯の問題です。時間帯はどうでもいいと思うかもしれませんが、いざ植え付けをする際に思わないトラブルを生じさせる理由にもなります。
マルチを張った後でも土とマルチの間にはわずかながらでも空間があります。気温が低い時間にマルチをピンと張っても気温の上昇や太陽によって空気が暖められるとマルチの内部の空気も膨張。その結果、ピンと張ったはずのマルチが膨らんでしまったり、よれが生じる。マルチに緩みがあると、植え付け後に風により苗がマルチの下に潜ってしまうこともあります。
特に一日の気温差が激しい時期についてはマルチを張るのは比較的気温が高い時間帯。可能であれば晴れの日のほうがいいかと思います。また、膨張を抑えるためにマルチの上部に土を多めに乗せる対策もできますが、それでも膨らむところが出てきてしまいます。昼過ぎの時間帯ごろに展開をするのが好ましいです。
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